通い始めたのが20代の後半だから、かれこれ30年の付き合いになる。
残雪期登山と山スキー、初夏の縦走、真夏の川遊び、秋の紅葉…
四季折々の変化や、ルートによって異なる展望に惹かれて何度も行った山。
ボトムからトマ耳までの時間疲労感足の捌き高度感
バランス
谷川馬蹄形や主脈縦走、妙義山稜線縦走とか、平ヶ岳や皇海山日帰り…心身ともに負荷が高いルートがある。そうしたルートに自分が入る資格があるのか?答えを出してくれるのが西黒尾根の登山だと、僕は思っている。
登山口 |
ラクダのコルから上部には着雪 |
一般登山者の僕が、谷川岳登山で一番難しいと思うのが初冬。
もちろん…登山として考えると、厳冬期がもっとも困難であることは間違いない。でも、その時期は「一般登山者」は立ち入りができない。
僕らが立ち入りを許される、厳冬期を除く残雪期から初冬までで考えると、初冬の今が一番ハイリスクだと思っている。
トマミミに突き上げる |
谷川連峰は、最高峰である茂倉岳ですら2,000mに届いていない、それぐらいこのエリアは標高が低いのだ。標高が低いと残雪が早く消え、水場は枯れる。
そして、そのリスク…「軽いハイキングのつもりだったら冬山」…に、備えていない人突っ込みがちである、それが最大のリスクなんだ。
初冬のリスクは降雪。
下界は秋晴れでポカポカ陽気。
肩の広場に出ると道標 |
主脈への縦走路と俎嵒 |
そんな時期には、冬山装備(アックス・クランポン・ビバークシェルター)万全で入山する人ってあんまりいない。
足元だって、スニーカーとか、トレランシューズの人もいる。
着雪している斜面は、キックステップでジリジリと前進するしかないわけだけど、それができる冬靴は重いので人気がない。
そんでもって雪が着いた稜線に突っ込んで、足を滑らせて、↓こんなツルッツルの岩盤に着地したら、はいそれまでよ。
ロープウェイから天神尾根経由で谷川岳往復と、ボトムから西黒尾根往復の違いは、鎖場の通過かな。
登りならまだイイ。谷川連邦エリアの登山道整備は行き届いているし、鎖とか、手すりトラロープとかの手入れもちゃんとしている。
ただ…ここから墜ちたらヤバいよねってところで、鎖もロープも無い箇所はいくつもある。
登りでは問題ないんだけれどね。
そうしたところを、危険なシーズンに登っているのだ。