一般的にはカタカナでガラン沢と書かれるけれど、多分、元々は伽藍沢。尻焼温泉の上流で長笹沢と分岐し、志賀高原横手山に突き上げている。
横手山スキー場や渋峠スキー場に行ったことがあれば、北〜北東方向に「遭難多し」「進入禁止」「スキー場管理区域外」という看板が多く見られることに気がついたと思う。そこが、ガラン沢の源頭部にあたる。
横手山スキー場や渋峠スキー場に行ったことがあれば、北〜北東方向に「遭難多し」「進入禁止」「スキー場管理区域外」という看板が多く見られることに気がついたと思う。そこが、ガラン沢の源頭部にあたる。
ツアースキーが盛んだった時に、北西風に押されてガラン沢に迷い込み、遭難した人が多かったようで、「魔の沢」とも呼ばれている。
入渓したては余裕がある |
ただ、冬場は魔の沢だけれども、夏の渓相は異なる。過去の記録や地形図で研究したところ、この沢は技術的には易しい。困難な滝は無くて、遡行に危険な箇所はほぼ無い。また、酸性の川水で藻の発生がない。つまり、滑らず、草鞋やフェルトソールの専用シューズが不要で、ゴム底の運動靴で十分。
歩いても歩いても伽藍の中 |
ただし、草津スキー場まるまるひとつ+αの標高差を稼ぐことになるので、体力は必要だ。そして、尻焼温泉から志賀高原までの距離を歩くので、日帰りはムリ。途中で野営が必要になる。エスケープルートも無く、上部で大雨とか降られたら増水の危険性もある。
そして…見た目キレイな沢水は鉱泉水なので飲用不可。湧水もそこらじゅうが温泉地帯の草津エリアなので、基本飲用不可。だから2日分の水を担いで行かなければならない。
もろもろを検討した結果…僕らは遡行計画をたてた。
ほとんどの滝は直登できる |
えっとねー、まず、参加者は全員MTB持ってるよね〜押忍…沢登だから、みんなヘルメット被って登るよね押忍…じゃぁ、沢登って帰りはダウンヒルすっか押忍…え?マジすか?うん、だってさ、横手山突き上げて、そっから帰ってくる方法がないじゃん?車を一台デポして…とかはどうすか?それじゃー普通でつまんないじゃん。せっかく行くんだからとことん楽しまないと!
前夜草津に集合して渋峠まで上がってMTBをデポ。尻焼温泉まで戻って適当に寝る。翌朝は車で入渓点まで移動して遡行開始。
長い遡行で疲れたところで、小雨となった。増水に備えて、高台の平地にシートを設置して野営に入る。
二日目は早めに出発したが、小雨が続いていたので写真が無い。横手山に突き上げる最後の斜面が、「降雪で下向きに曲げられて密集したネマガリ竹の薮」という、やや地獄のトラップになっていて、苦しかった記憶がある。
楽しみにしていた焚き火はできなかった |
二日目は早めに出発したが、小雨が続いていたので写真が無い。横手山に突き上げる最後の斜面が、「降雪で下向きに曲げられて密集したネマガリ竹の薮」という、やや地獄のトラップになっていて、苦しかった記憶がある。
当初の予定では、横手山ヒュッテでランチして、渋峠から芳ヶ平経由でMTBダウンヒル。しかし、横手山に上がった僕らは、竹の皮でいろいろすりむき、目ん玉を薮でつつかれ、2日間の疲労で膝はカクカク…とりあえず帰ろうというムードだった。
ランチしながら天候待ちしたけど、雨が止まないどころか本降りになってきた。諦めて渋峠に降り、自転車を回収して尻焼温泉目指して下る。
仕事の都合で参加できなかったヨーイチが、渋峠に車できていたのはちょっと笑った。 そして、ここからはダウンヒルだ〜!ひゃっほーい!と下り始めたのだが…
山田峠周辺と、湯釜周辺で地味に登り返しがあったのは誤算だった。疲れ切った腿でペダルを踏む苦しさ…
当時の愛車 REI Ponderosa |
おしまい