スキーシーズンが終わると…普通の人には春が来ますよね。
僕の場合は廃人期が来るんです。
一瞬「ハイジンキ」の漢字が思い浮かんでこなくて、黙っていると、彼は続けた。
時々、あ、これが春なのか?って年もありますけどネスキーを、片付けなくちゃって、ふと外を見るとすでに夏なんですよね。シャ◯中の人が正気に戻るってこーゆー感じなのかな?って思いませんか?
いろいろと大丈夫か?という言葉を飲み込みながら、僕は尋ねた。
「廃棄物」の「廃」に「人」の「廃人」になる季節ってこと?そーです そーです。で、少しでも正気でいようって、いろいろ手を出すんですよね、自転車とかクライミングとか。でもですね、廃人期ってちょうど梅雨時と重なって、外遊びが難しいじゃないですか。だから、最近はカヤックとか、沢登とかに逃げてますね。濡れてもできる遊び。
梅雨時になると、あーそろそろ、彼の廃人期が始まる頃だなぁと思う。
僕は彼とは違って、段階的に、シ◯ブを抜き白い粉の魔力から離れて行きつつ、夏を迎える。シーパスとか、リフト券ホルダーとか、無料の駐車許可証とかを車から降ろす。
僕は彼とは違って、段階的に、
パウダー4のシーズン券特典の駐車許可証 |
ボードをワクシングし、ウェアを洗って良く乾燥させ、傷んだ小物は補修するか断捨離し、来シーズンに備えて保管する。
ポイントは、心のどこかで自分に言い聞かせながら、片付けをすること。
俺のシーズンはまだ終わってない締めは富士山だなんならマチガ沢をハイクすれば、近場でも6月末ごろまでは滑れる
そう、あくまでも、まだスノーシーズンは続いているのだと、自分に言い聞かせながら片付けをする。ブーツとボードのワンセット、そしてBCの春用ウェア一式は最後の最後まで片付けない。そうやって、まだ冬は終わってないのだと、気を緩めないようにしながら、自転車の準備を並行で進める。
冬の間は、ローラー台でエアロバイクとして使っているグラベルロードバイクをメンテナンスするのだ。ローラー台用のホイールは普通のクリンチャータイヤなのだが、メインの軽量ホイールはチューブレス。シーラントを補充し、エア漏れをチェクする。
交換するものと関連するケミカルなどは出しておく |
上が純正のブッシングタイプ、下が社外品 |
チェーンも伸びてきているので、チェーンチェッカーで確認して早めに交換する。新品は余裕を持った長さになっているので、適正な長さに合わせてリンクをカットする。
新旧のチェーンを並べて固定する |
手前側の旧チェーンに合わせて新品チェーンの長さを揃える |
金属同士が擦れる部分特有の汚れ |
昔の機材に比べると、清掃や調整は格段にやりやすくなっている。オイルやグリス、ディグリーザーや洗剤、ウェスやペーパータオル、ニトリル手袋など、メンテナンス用品も進歩を感じる。
消耗品を十分に用意しておくことで、作業が快適になる |
というか、僕にとって、バイクメンテナンスって…廃人予防キャンペーン活動…だよね。
晴れてれば、サイクリングか登山に出かける。
整備が済んで、手入れが行き届いた自転車はに乗るのは楽しい。ちょっとした下り坂で、チーーーーーーーっと、小気味良いラチェット音だけを残して、バイクは速度を増し、思う通りにコーナーをクリアして行く。
そして、明らかに冬とは違う日差しを感じ、体全体で空気を押し分けて進んで行くと、「この季節も…これはこれでいいよね」みたいな気持ちがやってくる。
そうやってBCスキー&スノーボーダーは、震える手と、虚ろな目と、力が抜けた膝を、整えながら次の季節へと歩いていく。
面倒臭いな、俺たちってw