なぜプラブーツではカント角が重要なのか?
プラブーツはカフの高さがあるので、スネを内側に絞り込むことで強いエッジングができます。革のブーツとは比べ物にならないくらいに。
ただし…それは、スネの角度とブーツの角度が適切にマッチングしていれば…の話です。
スキーの板が回転するメカニズムをイメージしてみる。誰も乗っていないスキーの板を、そのまま斜面においたらどうなるでしょうか?(スキーブレーキや流れどめは外していると考える)すると、スキーは最大傾斜線に向かって滑り出し、「まっすぐ滑り降りていく」筈です。
では、本来、最大傾斜線に向かって滑り降るスキーを「ターンさせる」にはどうしたらいいでしょうか?スキーヤーならわかる筈ですが、ターンさせたい方向にスキーを傾けて、荷重させれば良い。スキーを傾けると、そのサイドカーブの働きによって、スキーは傾いた方向にターンを始める。
ということは、両足を並行にして直滑降し、重心をどちらかに移動させ、そちらに膝を曲げてスキーを傾けてやれば、両方のスキーは並行のままターンを始める。これがパラレルターンであり、ごくごくシンプルな技術だ…カント角があっていれば。
そもそもスキーブーツを作るメーカーは、主要顧客であるヨーロッパと北米を見ている。そしてそこで滑る人たちは大多数がコーケイジャンであり、スネは細くまっすぐ。靴のかかとは、真ん中からすり減っていく。ところが、モンゴロイドである私たちのスネは太く(というか脹脛が発達し)、外側に湾曲している。いわゆるO脚で、靴のかかとをみると外側がすり減っていく。
私たちがスキーブーツを履くと、外側に傾いたスネは、スキーを外側に傾ける。スキーは傾いた方向にターンしていくと言った。つまり、外側に傾けられたスキーは、いつ、どんな時でも、隙さえあれば、外に向かって突進しようとしているのだ。
なかなかこれに気がつかないのも不思議だが、インナーを抜いたてブーツに足を入れてみると、いかにスネが変な位置にあるかびっくりすることだろう。
- 靴のかかとが外側から減っていく
- O脚であることを自覚している
- 脱力して直滑降できない、苦手、(油断すると両スキーが外側に暴走)
- プルークしたとき、内側のエッジが立たずスピードコントロールができない
- 階段登行をするとき、山側のスキーはエッジが効くのだが、谷側のスキーが流れて登れない
- スケーティングすると、蹴り足がずれてしまってうまく加速できない
- リフトに乗って、スキーの前側を交差させると、上のスキーのソールと、下のスキーのトップシートがぴったり密着しない
- どれだけ練習を続けても、パラレルターンができない