そんなボクが、2つのスポーツに共通すると思うのは、「キレとズレをいかにコントロールするか」が大事ということ。
このブログ、「エッジングパワー」というキーワードで検索すると、スキーもボードも結構な数の投稿がヒットする。それは、ボクがエッジングを大事に考えているから。
今回は、スノーボードでカービングをグリグリやりたい人のセッティングについて。
今回は、スノーボードでカービングをグリグリやりたい人のセッティングについて。
レーダーチャートの上から、時計回りに説明してみよう。
「カービング向け」とされているボードは、標準より細身。細いとエッジの切り返しが速く、エッジプレッシャーも上げやすい。
カービング中は強い遠心力を受けるので、それに耐えるためにフレックスは硬めになる。限界スピードが上がって、急斜面でのカービングをやるようになると、さらに硬いボードが欲しくなるかもしれない。
ボードの幅が狭いので、センタリングは調整する余地がない。ドラグしない範囲で、微調整をするだけ。それでもドラグするなら、プレートを噛ますか前振りにする。
ハイバックは深い前傾になる。板を履くにもコツが必要になってくる。
ブーツのタンを軽く押し潰して、前傾させた状態でないと、ブーツのかかとがバインの奥まで入らないはずだ。アンクルをしっかり絞めないと、ブーツは勝手に押し出されてくる感じ。
ブーツのふくらはぎはハイバックに密着し、わずかな動作に反応してヒールエッジを立ててくれる。それでも反応が遅いと感じるなら、固いハイバックとベースプレートを装備したバインディングを選ぶべきだろう。
そもそもハイバックが強い前傾なので、常時膝を曲げた姿勢を強いられる。それは空気椅子状態なわけで、脚力だけで支えるのは辛すぎる。ブーツが固くてサポートしてくれれば、すこしだけモモが楽になるというわけ。痩せればいいんだけどね。
さて、最後の要素のアングルだけれども、これが問題だ。ボードの幅が狭いので、ドラグを避けるためにフロントを前振りにせざるを得ない。極端に細いボードを選ぶとこれが顕著になる。もっとも極端なのはスクォール(wikipedia)。そして、前振りにするとエッジングパワーは低下する。
前振りはエッジングパワー的にはマイナス要素だけれども、それ以外の要素でエッジングパワーを稼いでいる。トータルではエッジを効かせやすい、それがカービング向けのセッティング。
このセッティングは、デメリットも大きい。
- 空気椅子状態で、ターン中を含めて脱力する時間がないので疲れやすい
- 前振りスタンスは、ターン中に重心を前後させる必要がある(動作が複雑になる)
- 逆エッジを喰らいやすい(特に危険なバックサイド側)
- 上下動を使える範囲が限られるので、ギャップの吸収がやりにくい
- 姿勢が低くなるので、広い視界の確保が難しい
そんなわけで、広いリゾートを滑り倒すだとか、いろんな斜度、雪質、コブに柔軟に対応するとかは割と苦手だと思う。すごい上手い人は別かもしれないけどね…
「グラトリ・初心者のセッティング」と見比べてみればわかると思うけれど、カービング向けセッティングとグラトリ向けセッティングはある意味正反対。道具を2セット用意するか、期間を決めてどちらかのセッティングで集中的に練習するか、ほどほどのセッティングで幅広く対応力を磨くか…それは自分で考えて決めてみてください。 Happy Riding!