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2022年7月2日土曜日

Ride 10 MTBトレイルライド 崖から墜ちました…

ウワッたぁぁ!

僕は右が崖になっているシングルトラックを走っていた。

そこだけは行っちゃダメだろうというトレースに、フロントホイールが乗ってしまった。

あっという間もなく、ホイールはトラックを外れて宙に浮く。
次の瞬間、握っていたハンドルバーがガクンと引き落とされ、僕もバイクも一体となって崖下に落ち始めた。

ジャイアン結構マッチョだよね

僕の右肩は、相変わらずチリチリとした痛みが続いている。
脱臼しているわけではない。パワーも普通に出せる。
流石にぶら下がる気にはならないので、クライミングはお休みしているけどね。

痛みはあるけれど、MTBやグラベルバイクに乗るとか、軽めのウエイトとか、アブローラーだってそこそこやれている。

唯一、右腕を水平に目の前に出した時、ピリッとした痛みが走って…
なぜか一気に力が入らなくなる。

で、だましだましなんとか…治癒を待つのもありかなぁなんて思って、今日も長瀞でジャイアンがやっている、BLSS (Bike Life Support System)の MTB ガイドツアー(初級)に参加しに来たのだ。

この日は他に2人の参加者さん。
感じの良い若者二人。で、初級ではないw
若者2人に混ぜてもらう、ありがと
最初の1本は足慣らしを兼ねて初級コースを下る。
途中で休んでる時に、ジャイアンが聞いてきた。

 根っこルート行ったことありましたっけ?

あーなんか覚えている気がする。
随分前に、雪山宴会部のいしでーらさんが帰国した時、タメちゃんと213ちゃんと、ここに来てジャイアンのガイドで走ったんだ。

 あー、そこ多分行ったことある。
 狭い馬の背状の根っこの階段でしょ?

 そう、濡れてると滑って嫌だけど、今日は乾いてるから…行っちゃう??

あそこは確か…初級ではないw
でも、そこがすごく楽しかったことが記憶にあって、当然「行こうよ」と口に出していた。
樹林の中を右に左に
そこは上部は初級コースと共通だ。良く踏まれた赤土とトレールが続いている。

初級コースとの分岐は急な登りになっている。手前でスピード乗せて、勢いつけて急坂の途中まで上がる。そこから20m くらい、真剣に漕がないと止まってしまう斜度の登りが続き、その後はフラットになる。

問題は、ここは左から右へ落ち込んでいる急斜面であること。その斜面を突っ切っていく、フラットなトラバースのシングルトラック。左は登るのも大変そうな壁で、右側は針葉樹を皆伐して開けた急斜面。

転落したら、背骨を打ったり、残置された丸太の隙間に足突っ込んで骨折したり、切り株で尾骶骨を打ったり、タダではすまないような…圧高めなシングルトラックが 80m くらい続いている。

ジャイアンが先行しながら、叫んでいる。

 ここ、1箇所だけ段差があります!

赤土のシングルトラックの途中に、1箇所だけ高さ15cm くらいの段差がある。
岩盤が露出していて、そこだけ赤土が切れて、段差を降りるのだ。

しかし、なんということはない段差ではある。フルサスのMTBにとっては、縮んだサスがちょっと伸びるだけみたいな段差。というか、ここは、「落ちたらやばい」けど、「まず落ちることはない」くらいのやさしいトレイルなのだ。
安全運転のコースどりw

なのに僕は、やっちゃいけないこと、そこだけは行っちゃダメだろうというトレースに、フロントを乗せてしまった。

ホイールはトラックを外れて宙に浮き、ハンドルバーがガクンと落ちこみ、僕はもんどり打ってバイクを飛び越えそうになる。

なぜか僕は冷静に状況を観察していた。ハンドルから手を離さず、自分のおへそを覗き込むように上半身を折りたたみ、前転に入る。

前転しぐるっとバイクの下をくぐり抜け、頭上にバイクを持ち上げたような体制になったところで、ハンドルを放す。バイクは右下に飛んで行った。

雑木とか切り株が股間に入り込んで、大事なところを打たないように、膝をしっかり締めて下を見た。切り倒された丸太が何本か綺麗に並べられている。その上に狙いを定めて、腰を斜面にこすりつけながら丸太に着地する。膝を柔らかく曲げてショックを吸収したら、思いの外ダメージなしに着地が決まった。

次の瞬間、右手の下部斜面に僕のGTバイクが着地し、なんか嫌な「ガリィ」って音がした。

 あぁ、あそこまでバイクを取りに行くの大変だなぁ
 修理にあんまりお金かからないようならいいなぁ
 乗って下れなかったらどうしよう

そんなことを思った。

ジャイアンが上から叫んでいる。

 おーい!
 大丈夫かぁ!

そうだよね、ガイドツアーでゲストが怪我したらまずいよね。心配かけてごめん。

僕は、自分に怪我はないこと、着地がうまく行ったこと、スノーボードで散々転んでなれているせいだ、そんなとりとめのないことを上に向けて叫ぶ。

同行していた若者二人も心配そうに声をかけてくれ、ジャイアンと僕の二人でGTバイクを救出し、ダメージコントロールをし、ツアーは継続することができた。

僕はその後の2本は安全運転に徹しつつ、なんでああなったんだろう?ということを考えていた。

結論としては、肩の怪我のせいであろうと。
段差を降りるショックを吸収するため、腕を伸ばしてバイクを前に送り出した。
で、その姿勢が、腕を水平に目の前に出した時と同じ。

ピリッとした痛みが走って…一気に力が入らなくなる。
右腕が脱力して、左腕が生きているから、ハンドルバーが右周りに回転し…
それがあの段差のところで起こってしまったから、右の崖にダイブするはめになった。

怪我なくリカバリーできたのは、本当にラッキー以外の何物でもない。
インナーチューブに薄ガリ
崖下から引き上げたGTはハンドルの向きがずれただけのように見えた。ヘックスでステムを緩めて、位置を直し、そのまま乗りつづけた。帰宅して良く見たら、フロントサスに擦り傷が何箇所か。

機密性が必要なエア室があるのは左レッグなので、右レッグの傷でまだ良かった。
とりあえず、次の休みに、オイルストーンでバリだけ落としておこう。

そして、やはり、右肩はちゃんと治そう。

クライミングや、登山の鎖場、マウンテンバイク、ここぞというポイントで今日みたいなことが起こったら、シャレにならんもんね。

整形外科の診察予約を取ろうと、心に誓ったのでした ⬅︎ おせーよ