しばらく前から、BCスノーボードで日光白根山の東面を滑りたいと思っている。そんな話をしていたら、ユーヤもそこ行きたいと思ってた、ということで偵察に。
日光白根山は好きな山で、若い頃は結構頻繁に訪れていた。クーラーバッグにビールを詰め込んで、五色沼のほとりの岩の上で日光浴したり。
それが、丸沼高原スキー場のロープウェイ山頂駅ができて、そこからの登山道が拓かれ、混雑するようになって足が向かなくなった。
今日は菅沼登山口で待ち合わせ。
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6:30スタート |
瞑想の路と呼ばれる、樹林帯の中の登山道を辿る。尾根が近くなって、鞍部のコーナーを回ると弥陀が池に出る。
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この瞬間が好き |
樹林帯からパッと視界がひらけて、池の幻想的な水面と、その奥に日光白根の山体がそびえる。この、静寂からのドラマがあるから、僕はこのコースが好き。
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紅葉には1〜2週間遅かった |
このコースは健脚のハイカーが多く、みなさん荷物が多いのにタッタカタッタカ登っていく。僕らは今日はぐるっと七色平に向かう。
というのも、BCで東面を滑ると五色沼に出る。そこから弥陀が池を経由して、七色平まで、白根山を反時計回りに周回しながら丸沼高原まで戻るのだ。そのルートを今のうちに歩いておこうと考えた。
特にユーヤは日光白根山初めてなのだ。わりと複雑な山なので、地形を覚えておくのも大事なので。
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七色平、避難小屋は老朽化で立ち入り禁止 |
そしてロープウェイ山頂駅からの登山道と合流し、樹林帯の中を再び高度を上げていく。白根山の西面は、爆裂火口と、そこから崩れ落ちる大きな岩溝が走っている。ここは頻繁に落石があるし、その横には雪崩の走路があるので、地形を確認しながら標高を上げていく。
森林限界を超えて、山頂直下のザレた急登を登る。ここから風が直接当たるようになり、シェルを羽織る。
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良く晴れているが、強風 |
とりあえず山頂へ。そこの裏側の急斜面を15mくらい下降すると東面ルンゼの入り口になる。
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100名山だけあって山頂は混雑していた |
入れ替わり立ち替わりハイカーが来る山頂で、あまり身を乗り出して下をみると危険。なので、弥陀が池側に少し下降する。
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人が2人いるのが山頂の岩塊 |
上の写真の、右上から左下に走る、斜めの急斜面がドロップインポイントになる。ここはコンディションによってはかなり…厳しそうなので、もうちょっと斜度のゆるいところを探す。だが、取り付きの傾斜が緩いところは、30m くらいドロップしたところで急激に落ち込んでいる。やはり、この写真の場所しかなさそうだ。
急傾斜をなんとかこなせれば、そのあとは直線的にルンゼは延びていく。で、300m くらい先で極端にルンゼの幅が狭まっている。これだけ狭ければ、まぁ、雪でギャップが埋まるから滑ることはできるだろうけど…ちょっと落石が心配かな
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東面ルンゼ 先に行くと超狭い |
東面ダイレクトの入り口も確認できた。ルンゼの岩が溜まっている先で、斜度が緩んで、スキーヤーズレフトの尾根への出口ができている。
ドロップインポイントがはっきりしたので、もう少し先に行って、弥陀が池方面の景色を楽しむ。
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弥陀が池、菅沼、丸沼 |
戻りながら今度は五色沼方面を見る。
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五色沼の向こうに女峰山 |
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山頂の祠 |
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今日の五色沼はエメラルド |
標高を下げ、葉の落ちたダケカンバの樹林を過ぎる。おり切ってなだらかな谷状地形。ここを北西方向に進むと、ロープウェイ山頂駅の脇の谷に繋がる。
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軽やかに降るユーヤ |
予定していた計画よりも、かなり早いペースで降りて来てしまった。
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これ、咲いてたら綺麗でしょうねーと、ユーヤ |
のんびりと降ると、五色沼避難小屋。
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赤い屋根の小屋が見えて来た |
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冬用の入り口にハシゴ |
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広い土間 |
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中は一部2階がある |
ここには何度か泊めさせてもらったことがある。水場は五色沼まで降りなければ無いし、トイレも無いのだがとても快適だった。ここには、地元のU大学で森林系の研究に勤しむ学生さんが篭っていたりする。
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東面ルンゼ出口を偵察 |
今日の目的である、下降コースの出口を確認する。五色沼から見るとこんもりした尾根状があって、その裏側に切り立った崖に挟まれたルンゼが続いている。その出口からは斜度が落ちた樹林帯を降りれば五色沼へと出る。
東面ダイレクトも見えた。
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植生が変化する境が下降コース |
手前に色が薄い樹林帯がある。その先で黒い岩肌があるけれど、ここが東面ダイレクト。斜度が一定で、幅は50m程度はあるのだろうか。大きな岩がゴロゴロしているので、積雪量が十分ないと厳しいかもしれない。
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正面の岩溝が東面ダイレクト |
偵察の目的はこれで完了。ふと横を見ると、懐かしい岩がある。20代最後ころの僕は、この岩の絶妙なくぼみにマットをしいて、風を感じて昼寝していた。ビールを飲んで…裸で。
最初は上半身だけ裸だったんだけれど、僕が登るのは平日で、当時は全然人がいなかった。で、次第に脱ぐ範囲が広がって、ついには全裸…危険地帯だけ、畳んだ手ぬぐいを乗せて寝る。
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睾丸の紅顔の美青年はアシカになりました |
で、ある時、ふと気がついた、やけに山頂稜線に登山者が多いことを。丸沼高原ロープウェイの夏期営業と、登山者の増加により、僕の「全身ムラなく日焼けするよプロジェクト」は終わりを告げた。
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ぶちょ、頭大丈夫ですか?と、ユーヤ |
名残惜しいけど五色沼を後にして、弥陀が池へと戻る。
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あばよ五色沼 |
この登り返し、中途半端に雪が残っていると踏み抜きで地獄を見る。今日は夏道なので、さらっと帰ってこれた。
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本日2回目の弥陀が池 |
予定よりも早く下山したので、とりあえず温泉。
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源泉ジャバジャバ掛け流し |
そして片品グルメで、釜飯を。
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人生2回目の竹屋さん |
ユーヤは五目釜飯、僕は鳥釜飯、二人とも大盛り。
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photo by ユーヤ |
ログはこんな感じでした。山頂ピストンだと物足りないけど、ぐるっと回ることで充実した山行になったかな。
今年の冬も安全にスノーボードが楽しめるように、そんな気持ちで帰って来ました。ゆーや、ありがとう。